Weekly o9056 Report

今回から始まったこの企画。

投資のために日々サイトを見ている中で、この1週間に気になった記事を書いてみようと思ったものです。

誰かのためになれば、それはそれで嬉しいのですが、まずは自分の記録として残しておきます。

初めて取り上げた記事は李嘉誠氏に関する内容

今週の一本としては李嘉誠氏の記事。ウェッジからの内容であるが、氏はご存知のとおり、中国経済界でも著名な大富豪で、フォーブス誌の世界長者番付でも毎年上位に名を連ねていることでご存知の人も多いであろう。

中国経済への影響力

また米中貿易摩擦で揉める中で、氏はとりわけファーウェイを支持していることからも、習近平アメリカのターゲットになっているファーウェイを簡単に切り捨てることができなかったことを知っている人はそんなに多くはないと推測している。

中国撤退はいつからか?

そんな李嘉誠氏が2013年頃から中国投資を見切ってポートフォリオを少しずつ変えていたようである。記事にある大学教授の言では2008年の労働契約法の施行により、企業が従業員を解雇できなくなり、また減給なども容易に行えず、いずれ競争力を失っていくことを予見しており、これはまさしく日本の現状が、少し遅れて中国経済が直面することを感じたものであろうか?

現在のポートフォリオ

台湾の自由時報というメディアが、3/25付で李嘉誠氏の資産状況を記事にしており、中国資産が1割にまで減り、その代わりに欧州資産が5割に達していると報じている。また欧州以外にも北米や豪州、金などにも移しているようである。

それでもバランス感覚の優れた行動ぶり

このような氏の動きに対して、中国や香港の世論は批判が多いとのことであるが、全く臆することなく、中国政府にも「これまで経済成長に協力してきた。また選挙権があるなら習近平に投票する」と言えるようなリップサービスを行うバランス感も怠ることがない。また世論に対しても

私は商人だ。ビジネスマンだ。道徳家ではない。利益を出すことはビジネスマンの本質的な価値所在だ。利益を上げられない商人は良い商人ではない。昨今のグローバル時代では、資本の流動は当然だ。資本に国境はない

と世論の批判を一蹴する姿勢は確固たるものとして、ある種尊敬に値する。


今後の動きに注目

こんな李嘉誠氏の資産状況をモニタリングしている財界人も多いようであり、今後の動向にも注目が集まる。また、氏に撤退された中国経済GDP成長率はまだ6%を超えてはいるが、債務超過の問題もあり、全く予断を許せない状況はこれからはもっともっと続くことであろう。

李嘉誠氏の資産逃亡先と中国経済。世界に与える影響が少なくないことから、今後も目を離せない重要事項でもある。