レイ・ダリオ氏の最新作「How Countries Go Broke」を要約してみました

世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツの創設者で著名投資家のレイ・ダリオ氏の最新作「How Countries Go Broke」が発表されてから暫く経過しましたが、日本語訳を待っている場合でもないので、公開されている情報をもとにテクノロジーを駆使して要約してみました。

 

はじめに (INTRODUCTION)

 

本書は、グローバル・マクロ投資家であるレイ・ダリオ氏が、50年以上の経験から得た知見を共有するために書かれました。特に、「大きな債務サイクル (The Big Debt Cycle)」、「需給の仕組み」、そして「全体的な大きなサイクル (The Overall Big Cycle)」という3つの主要な概念を理解することが目的です。

 

パート1:大きな債務サイクルの概要 (OVERVIEW OF THE BIG DEBT CYCLE)

 

多くの人が経験したことがない大きな債務サイクルが約80年の期間で起こるため、その全体像について説明されています。

 

* 第1章:小さな要約における大きな債務サイクル (The Big Debt Cycle in a Tiny Nutshell)


* サイクルの仕組み: 信用(クレジット)は支出を増やす主要な手段で、これが所得や資産価格の上昇につながります。しかし、借りた信用は必ず返済する必要があるため、支出を減らすことになり、この動態が本質的に循環的になります。
* 短期と長期のサイクル: 通常約6年で繰り返される短期債務サイクルは、お金と信用が容易に供給されることから始まります。この短期サイクルが積み重なることで、最終的に債務負担が大きくなりすぎて維持できなくなったときに、長期債務サイクルは終わりを迎えます。
* 債務危機中央銀行: 債務危機は、約束された額の貨幣を交付するための貨幣がないときに発生します。この時、中央銀行は「お金を大量に印刷して価値を下げる」か、「お金を印刷せずに大規模な債務不履行を招く」かの選択に迫られ、最終的に前者を選択します。

 

* 第2章:言葉と概念による仕組み (The Mechanics in Words and Concepts)


* 債務と通貨: 債務は将来のある時点で特定の通貨額を受け取る約束であるため、債務と通貨は本質的に同じものです。
* インフレとデフレの綱引き: 債務と所得のバランスが崩れると、貸し手と借り手のバランスを取ることが難しくなります。
* デレバレッジ: 債務を所得に対して減らす必要が生じるとデレバレッジが起こります。もし債務が自国通貨建てであれば中央銀行が「お金を印刷する」ことで「美しいデレバレッジ」が可能ですが、外貨建てであれば「醜いデレバレッジ」となります。

 

第3章:数字と方程式による仕組み (The Mechanics in Numbers and Equations)


債務サイクルの複雑な仕組みを、より客観的に理解するために、数字と方程式を使って、経済の動態をモデル化して説明しています。
* 支出 = 貨幣 + 信用
* 生産性 = 支出 ÷ 生産物
これらの式は、経済の成長が、お金と信用の量、そして生産性のレベルによってどのように影響されるかを示しています。
長期的な経済成長は生産性の上昇によってのみ達成されますが、短期的なサイクルは信用と貨幣の供給によって引き起こされます。

 

この章では、以下の概念が数値的に示されています。


* 短期債務サイクル: 中央銀行金利を下げたり上げたりすることで、経済活動を加速させたり減速させたりする様子。
* 長期債務サイクル: 債務の成長が所得の成長を上回り、債務負担が雪だるま式に増加していく様子。最終的に、借入を続けることができなくなると、サイクルは終焉を迎えます。
* 債務の貨幣化: 政府が債務を返済するために、中央銀行がお金を印刷して債券を買い取るプロセス。この行為は、国の財政状況を一時的に改善させる一方で、通貨の価値を希薄化させ、インフレを引き起こします。

 

パート2:中央政府中央銀行が破産に至る典型的な過程 (THE ARCHETYPICAL SEQUENCE LEADING TO CENTRAL GOVERNMENTS AND CENTRAL BANKS GOING BROKE)

 

このパートでは、大きな債務サイクルが危機へと向かう過程が、9つの段階で具体的に説明されています。

 

* 第4章:典型的な一連の過程 (The Archetypical Sequence)


* 国が財政的な「心臓発作」を起こす原因は、慢性的で持続不可能な財政赤字、戦争や自然災害などの予期せぬ大きな出費、そして増え続ける債務の組み合わせです。これらの要因は、投資家がその国の債務の持続可能性を疑い始めるきっかけとなります。

 

* 第5章:民間部門と中央政府債務危機 (The Private Sector and Central Government Debt Crisis (Stages 1-4))


* この段階では、投資家が債務の限界に近づいていることを認識し、債務を売却し始めます。これにより、債務の需要が減少し、金利が上昇します。中央銀行は、経済を安定させるために、金利をさらに上げるか、お金を印刷して債務を買い取るかの難しい選択を迫られます。歴史的に、中央銀行は後者を選択することが多いです。

 

* 第6章:危機が中央銀行に波及する (The Crisis Spills over to the Central Bank (Stages 5-6))


* 民間投資家が債務を買い取らなくなると、中央政府中央銀行が買い手となります。このプロセスが「債務の貨幣化」、つまり量的緩和QE)です。この行為は、債務不履行を回避する一方で、お金の供給量を増やし、インフレを引き起こします。

 

* 第7章:以前の大きな債務危機が収束し、新しい均衡に達し、新しいサイクルが始まる (The Prior Big Debt Crisis Recedes, a New Equilibrium Is Reached, and a New Cycle Can Begin (Stages 7-9))


* 危機が収束し、新しい均衡に達すると、新しいサイクルが始まります。この過程で、国は通貨の切り下げを通じて輸出競争力を回復させようとします。これにより、国内の購買力は低下しますが、経済の再建に向けた第一歩となります。

 

* 第8章:全体的な大きなサイクル (The Overall Big Cycle)


* 債務サイクルが、国内の政治サイクル(ポピュリズムナショナリズムの台頭)や地政学的なサイクル(世界秩序の変化)とどのように相互作用するかを説明しています。これらのサイクルは互いに影響し合い、歴史的な大きな転換点を形成します。

 

パート3:過去を振り返る (LOOKING BACK)

 

過去の歴史的な大きな債務サイクルを分析し、それがどのようにして貨幣、政治、地政学的な変化を引き起こしてきたかを検証しています。

 

第9章:1865年から1945年まで (From 1865 to 1945 in a Tiny Nutshell)


この章では、1865年頃から始まった大きな債務サイクルを概説しています。このサイクルは、生産的な融資から始まり、徐々に借金が積み重なっていきました。ピークに達したのは1920年代後半で、その結果、1929年の債務不履行と株価暴落という形でバブルが崩壊しました。これにより、世界的な大恐慌が引き起こされ、当時の貨幣、政治、地政学的な秩序が根本的に揺らぎました。政府は、お金と信用の量を増やす、債務を減らす、そして「良いお金(金など)の所有と移動を阻止する」という手段を組み合わせて対応しました。

 

第10章:1945年から現在までの大きな債務サイクルの簡単なレビュー (A Brief Review of the Big Debt Cycle from 1945 to Now)


第二次世界大戦後、米国が主導する新しい世界秩序と貨幣秩序が確立されました。この章では、この戦後から現在に至るまでのサイクルを簡単に振り返ります。

 

第11章:1945年から1971年までのリンクト(ハード)通貨システム (1945 to 1971—A Linked (i.e., Hard) Monetary System)


この期間は、ドルが金に裏付けられ、他の主要通貨がドルに固定されるブレトン・ウッズ体制の下にありました。このシステムは、通貨の価値が実物資産にリンクしていたため、「ハード通貨」システムと呼ばれていました。しかし、ベトナム戦争の戦費などの財政赤字が膨らむにつれて、金の裏付けが維持できなくなり、システムの終焉を招きました。

 

第12章:1971年から2008年までのフィアットマネー、金利主導の金融政策 (1971 to 2008—A Fiat Money, Interest-Rate-Driven Monetary Policy)


1971年にブレトン・ウッズ体制が崩壊すると、世界は不換紙幣(フィアットマネー)の時代へと移行しました。通貨の価値が実物資産ではなく、政府の信用に依存するようになったのです。この期間、中央銀行は主に金利の操作によって金融政策を主導し、経済のコントロールを試みました。しかし、この仕組みも徐々に限界を迎え、巨大な債務の蓄積が進んでいきました。

 

第13章:2008年から2020年までのフィアットマネーと債務の貨幣化 (2008 to 2020—Fiat Money and Debt Monetization)


2008年の世界金融危機を機に、中央銀行金利をゼロ近くまで引き下げました。しかし、これだけでは経済を十分に刺激できなかったため、量的緩和QE)という新たな手段を導入しました。これは、中央銀行が市場から債券などの金融資産を大量に買い取ることで、事実上の債務の貨幣化を行うものでした。この政策により、金融資産価格は上昇しましたが、インフレの種も蒔かれることになりました。

 

第14章:2020年以降、パンデミックと大規模財政赤字の貨幣化 (Since 2020—Pandemic and Big Fiscal Deficits Monetized)
新型コロナウイルスパンデミック後、各国政府は大規模な財政赤字を計上し、中央銀行はその債務をさらに大規模な貨幣化によって支えました。この結果、供給網の混乱と相まって、世界的に高いインフレ率が引き起こされました。中央銀行はインフレを抑えるために金融政策を緩和から引き締めに転じ、金利を急激に引き上げました。

 

第15章:1945年から現在までの中国の大きなサイクル (China’s Big Cycle from 1945-49 Until Now in a Tiny Nutshell)


中国が共産主義革命から始まり、経済開放を経て世界的な大国へと台頭する過程を、独自の大きなサイクルとして概説しています。

 

第16章:日本の事例とその教訓 (The Japanese Case and the Lessons It Provides)


日本の事例では、1980年代後半のバブル経済とその崩壊がもたらした「失われた30年」を分析しています。バブル崩壊後、金融・財政政策が大きく変わったにもかかわらず、デフレと不況の心理的影響が長期間にわたって残り続けました。これは、債務サイクルの末期に陥った国が直面する可能性のある困難な状況の一例として、重要な教訓を与えています。

 

パート4:未来を見据えて (LOOKING AHEAD)


このパートでは、著者が現在の経済状況をどのように見ており、今後の展望と、彼自身の解決策について述べています。

 

第17章:私の指標が示すこと (What My Indicators Show)


著者が独自に開発した指標に基づき、現在の経済状況、特に米国の財政状況について分析しています。この指標は、米国の財政的な需給ダイナミクスを考慮すると、現在の金利は適切ではないことを示唆しています。つまり、政府の支出と借入れの規模に対して、市場の利回りが低すぎるということです。この状態が続けば、いずれは不均衡が大きくなり、市場に大きなショックを与える可能性があると警告しています。

 

第18章:私の3%の3段階ソリューション (My 3% 3-Part Solution)


この章では、著者が提唱する経済的な解決策が説明されています。この解決策は、経済の健全性を回復し、長期的な安定を確保するための3つの段階から構成されています。具体的な内容は資料から読み取る必要がありますが、一般的にダリオ氏が提唱する解決策は、以下の要素を含んでいると考えられます。
* 第1段階: 債務の再構築や通貨の切り下げなど、緊急的な措置を講じることで危機を乗り越える。
* 第2段階: 財政規律を強化し、持続可能な経済成長のための基盤を築く。
* 第3段階: 教育や生産性向上への投資を通じて、長期的な繁栄を促進する。

 

第19章:私から見た未来の姿 (What the Future Looks Like to Me)


この章は、著者の将来に対する展望が語られる核心部分であり、今後も財政赤字の貨幣化と債務の貨幣化が継続すると予測しています。これは、中央銀行が政府の債務を買い取り続けることで、お金の価値が下がり続けることを意味します。このプロセスは以下のような結果をもたらすと見ています。

* 通貨価値の下落: 大量にお金が印刷されることで、通貨の購買力は徐々に失われていきます。
* 債務の価値の低下: 債務はもはや信頼できる価値の貯蔵庫ではなくなります。
* 相対的な貧困化: 最終的に、債務を帳消しにするか、通貨を切り下げることで、新しいサイクルを開始するのに十分な競争力を得るまで、人々は相対的に貧しくなるだろうと予測しています。
ダリオ氏は、このプロセスを乗り越えるためには、歴史的な教訓に学び、適切な政策を講じることが不可欠であると強調しています。

 

(出所)
https://economicprinciples.org/downloads/How-Countries-Go-Broke.pdf

 

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